第4章ではBolt.newを使って「最速で動くものを作る」実践を、第5章ではClaude Codeを使って「既存コードを改善する」実践を紹介しました。 第6章ではその次のステップとして、繰り返し発生する業務をどう自動化するかに焦点を当てます。
- Antigravity は反復作業や自動化フローの構築に向いている
- Vibe Codingでは「何を自動化するか」を見極めることが重要
- リテール現場では、集計・整形・通知の自動化から始めると効果が出やすい
この記事では、Antigravityを使って業務を自動化する流れを例に、 リテール事業者がVibe Codingを実務で活用するための自動化の進め方を整理します。
この記事の内容
第4章ではBolt.newを使って、まず動くものを素早く作る方法を紹介しました。
第5章ではClaude Codeを使って、既存のコードや業務ツールを少しずつ改善する進め方を整理しました。
そして第6章では、その次の段階として
繰り返し発生する業務そのものを減らす
ことを考えます。
リテールの現場では、
- 毎週同じ形式で集計する
- CSVを整形する
- 社内に共有するために転記する
- 条件に応じて通知する
といった反復業務が多くあります。
こうした作業は、一つひとつは小さくても、積み重なると大きな負担になります。
そこで有効なのが、Antigravityのような自動化に強いAIツールです。
なぜ第6章はAntigravityなのか
Antigravityは、Vibe Codingの中でも 反復作業の自動化や業務フローの組み立てに向いているツールです。
新しい画面をゼロから作るというより、
- 決まった手順を繰り返す
- 複数の処理をつなぐ
- 人が毎回やっていることを減らす
といった場面で力を発揮します。
企業内でVibe Codingを実務に定着させるには、 「試作」や「改善」だけでなく、
日々の業務負荷を減らす
ところまで到達することが重要です。
その意味で、第6章はシリーズの中でもかなり実務に近い章になります。
Bolt.new・Claude Codeとの違い
ここまでに出てきた3つのツールは、それぞれ役割が違います。
Bolt.new が向いている場面
- 新しいアイデアを試作したい
- まず動くものを見たい
- PoCや簡易アプリを作りたい
Claude Code が向いている場面
- 既存コードを直したい
- 業務ツールを改善したい
- 安全に修正を進めたい
Antigravity が向いている場面
- 繰り返し業務を減らしたい
- 手順を自動化したい
- 複数の処理をつないで流れを作りたい
整理すると、次のようになります。
試作 → Bolt.new 改善 → Claude Code 自動化 → Antigravity
ここまでくると、Vibe Codingを単なる開発トレンドではなく、 実務改善の手段として使う全体像が見えてきます。
リテール現場での使いどころ
リテール事業者がAntigravityを使う場面は、かなり具体的です。
例えば、次のような業務があります。
- 売上データを毎週CSVでダウンロードして整形する
- 店舗別の実績をまとめてレポート化する
- 在庫が一定数を下回った商品を通知する
- キャンペーン結果を集計して関係者に共有する
こうした作業は、
- やることは決まっている
- 頻度が高い
- 手作業だと地味に時間がかかる
という特徴があります。
つまり、
自動化の優先順位が高い業務
です。
特に最初は、 1人の担当者が毎週同じようにやっている作業から始めると、効果が分かりやすいです。
自動化を進める基本フロー
Antigravityで業務を自動化するときは、次のような流れが基本になります。
- 繰り返している業務を洗い出す
- 作業手順を分解する
- どこまで自動化できるかを決める
- まずは小さく自動化する
- 結果を確認する
- 必要に応じて広げる
ここで大事なのは、 最初から全部をつなげようとしないことです。
例えば、
- 集計だけ自動化する
- 整形だけ自動化する
- 通知だけ自動化する
というように、小さく始める方がうまくいきます。
自動化は大きいほど良いのではなく、
壊れても戻しやすい単位で始める
ことが重要です。
実際の指示の出し方
Antigravityのような自動化ツールに指示を出すときも、 「何となく楽にしたい」ではなく、 今の手順を具体的に伝えることが重要です。
例えば、次のような指示です。
毎週月曜に売上CSVを取り込み、 店舗別の売上合計を集計して、 既定のフォーマットに整形し、 担当者に送るレポート用データを作成してください。 最初はメール送信までは行わず、 整形済みのCSVを出力するところまでを対象にしてください。
このように伝えると、
- 頻度
- 入力データ
- 処理内容
- 出力形式
- 今回の自動化範囲
が明確になります。
逆に、
売上レポート作成を自動化して
だけだと、範囲が広すぎて精度が落ちます。
Vibe Codingで自動化を成功させるには、 今の業務を言語化する力がかなり重要です。
うまく進めるためのポイント
1. まずは定型業務から始める
毎回同じ手順で行っている作業ほど、自動化との相性が良いです。
2. 例外が多い業務は後回しにする
判断分岐が多いものより、まずはシンプルな流れから始める方が成功しやすいです。
3. 入出力を明確にする
何を入れて、何が出れば完了なのかを明確にすると、AIへの指示が通りやすくなります。
4. 全自動にこだわりすぎない
最初は「途中まで自動化」で十分です。人の確認を残した方が安全に運用できます。
5. 業務改善として捉える
自動化は技術導入ではなく、業務の再設計です。今の手順を見直すきっかけにもなります。
まとめ
第6章では、Antigravityを使って 業務を自動化する Vibe Coding実践を整理しました。
- Bolt.new は試作向き
- Claude Code は改善向き
- Antigravity は自動化向き
この3つを使い分けることで、 Vibe Codingは単なるAI開発体験ではなく、 リテール現場の実務改善そのものに近づいていきます。
リテール事業者にとって大切なのは、 AIで何でも自動化することではなく、
人が繰り返している作業を減らし、 本来向き合うべき業務に時間を戻すこと
です。
Antigravityは、そのための有力な手段になります。
関連サービス
事業における開発自走支援
・Vibe Coding学習コース 実践プログラム